電子マネーの仕組みとは?どのような特徴があるのか具体的に解説!
電子マネーは現在、目覚ましい速度で普及しています。始めは駅の改札用に開発された電子マネーも、今では日々の買い物に利用されることが当たり前となりました。しかしさまざまな種類の電子マネーが生まれたことで、「仕組みがよくわからない」と混乱する人も少なくありません。そこで今回は、電子マネーの仕組みや特徴について解説します。
電子マネーの仕組み
電子マネーの仕組みとは、レジや読み取り機にカードやスマートフォンアプリの画面を“かざす”だけで支払いができる点です。
とくによく見られるのは、駅の改札での光景です。現在はいちいち切符を買わなくても、SuicaやPASMOといったカードに現金をチャージ(入金)すれば、改札にカードを“かざす”だけで通過できるのでとても便利になりました。
ちなみにかざすだけで決済できる理由は、カードに「非接触型ICカード」が埋め込まれているためです。ソニーが開発した「Felica」と呼ばれるこの技術は、カードを“かざす”だけで高速通信できるのが特徴で、容量も多く確保されています。だからこそ乗車券だけではなく電子マネーや、ポイント機能まで付与できるのです。
他にもカードを機器に挿入する「接触型IC」もあり、こちらは非接触型ICよりも支払いに時間がかかりますが、ミスが起きにくく確実に通信できるメリットがあるので、高度なセキュリティが求められるクレジットカードに応用されています。なお現在は接触型IC、非接触型IC両方の機能を持った多機能カードもあります。
電子マネーにはいくつかの形式がある!
電子マネーの形には大きく分けて、「カード型」「クレジットカード一体型」「モバイル型」の3つのタイプがあるようです。
たとえばSuicaやWAONはカード型のタイプで、楽天Edy、iDといった電子マネーはクレジットカード一体型です。またPayPayやメルペイ等はカードではなく、スマートフォンアプリをダウンロードすることで利用できるので、「モバイル型」に該当します。
また使用場面で見ると、交通機関に利用する電子マネーは「交通系」と呼ばれ、イオン等大手百貨店に使用できるものは「流通系」、スマホのQRコードで支払うものは「QRコード決済系」と呼ばれているようです。
他にも電子マネーは、支払いのタイミングによっても種類分けされているため、下記の項目にて解説します。
プリペイド式
プリペイド式とは、事前に現金をチャージした後に支払う方式で、わかりやすくいえば先払いのことです。SuicaやWAON、PayPayといった代表的な電子マネーのほとんどは、プリペイド式の電子マネーであります。
プリペイド式のメリットは事前にチャージしているので、クレジットカードでよくある「請求金額が莫大になり、返済不能に陥る」心配がない点です。そのため安心して支払いできますが、度々現金をチャージしなければならない点がデメリットでもあります。
ポストペイ式
ポストペイ式とは、クレジットカード会社と連携し、利用金額はカード会社が立て替える方式のことで、いわゆる「後払い方式」です。チャージする手間がなくなるのがメリットですが、好きに使い過ぎてしまうと後で返済不能に陥る恐れがあるので、注意が必要です。
電子マネーのメリット・デメリット
電子マネーは私達の生活に、どのような影響を及ぼすのでしょうか?この項目では、電子マネーのメリット・デメリットについてそれぞれ解説します。
電子マネーのメリット
電子マネーのメリットは、「圧倒的に支払いが早い」「現金の盗難、紛失の心配がない」「ポイントが貯まる」「残高の管理がしやすい」といった点です。とくに支払いの早さは抜群に優れていて、JTBの調査によればレジ会計において現金の場合は28秒もかかりますが、電子マネーの場合は僅か8秒で支払いが済むといったデータもあります。
また財布を持たなくていいので、盗難や紛失の心配もありません。それに利用金額に応じてポイントも付与されるので、節約にもつながります。他にも電子マネーはクレジットカードのように審査を受けることはありません。アプリやカードを入手するだけで始められるので、すぐに利用できる「手軽さ」が魅力でもあります。
電子マネーのデメリット
電子マネーのデメリットは、「事前にチャージが必要」「入金後のキャンセルができない」「災害に弱い」といった点です。プリペイド式「前払い」の電子マネーの場合は、事前に現金をチャージしない限り、利用できません。したがって、残高が少なる度にどこかでチャージしなければならないという手間が発生します。
また一度現金をチャージすると、原則キャンセルすることもできません。なぜかといえば運営側が払い戻しをすることは、法律によって禁止されているからです。なおSuicaの場合、カード返却時にチャージ残高とデポジット「カード発行時の預り金」が戻ってきますが、手数料が220円かかります。
他にも電子マネーは加盟店でしか使えない他、ネット障害等の災害が起きると復旧するまでは一切利用できなくなってしまいます。システム障害の頻度は年に数回と多くはありませんが、電子マネーに完全に頼り切っていると、後で痛い目を見る恐れもあるので用心しておきましょう。
日本政府は2025年までにキャッシュレス決済を40%、将来的には80%を目指すことを明言しています。そのため、今後も電子マネーに追い風となるような仕組みやサービスが次々に生み出されていくことでしょう。支払いが早くなるだけでなく、ポイント還元機能といったメリットもあるので、「まだ電子マネーを利用したことがない」という方はこれを機会に、一度お試ししてはいかがでしょうか?